脱毛コラム
医療脱毛の基礎的な情報を医師が詳しく解説いたします。
脱毛に関する疑問や知りたいことを理解しながら
脱毛の基礎知識を学ぶことができます。
毛嚢炎とは?脱毛との関係は?

脱毛中に肌トラブルが起きると、「これって毛嚢炎かな?」「このまま脱毛を続けても大丈夫かな?」と不安になりますよね。
毛嚢炎は脱毛に伴う肌トラブルの中でも比較的よく見られる症状ですが、正しい知識と対処法を知っていれば過度に心配する必要はありません。適切なケアをすれば脱毛を問題なく続けることが可能です。
今回は毛嚢炎の基本的な知識から予防法まで詳しく解説していきます。
CONTENTS
毛嚢炎でも脱毛できる?まずは正しく理解しよう

毛嚢炎について、まずは正しく理解することから始めましょう。
毛嚢炎は毛穴の奥にある毛根を包む袋状の部分(毛嚢)に、黄色ブドウ球菌などの細菌が感染することで起こる炎症です。
黄色ブドウ球菌は皮膚や鼻腔などに常在する細菌であり、免疫力が低下したり、皮膚に傷ができたりすると感染を引き起こすことがあります。見た目は小さな赤いブツブツや膿を持った白いできものとして現れ、軽い痛みやかゆみを伴うこともあります。
一見ニキビに似ているため混同されやすいですが、原因や炎症の起こる場所は異なります。ニキビは皮脂腺への皮脂の詰まりが一番の特徴です。詰まった皮脂腺でアクネ菌が増殖して炎症が生じた状態です。
一方、毛嚢炎は毛穴に細菌が侵入して感染が起こるため、炎症は比較的浅い部分に現れることが多いことが多いですが深くまで炎症が及ぶこともあり、毛の根元に膿点が出るのが特徴です。
また、汗疹(あせも)と毛嚢炎は症状が似て見える場合があります。あせもは汗腺が詰まることで起こり、広範囲に小さな赤いブツブツが現れ、かゆみが強く出ることが多いです。これに対して毛嚢炎は毛穴ごとに発疹ができ、膿を持つことがあり、かゆみよりも痛みを感じやすい傾向があります。
脱毛後に毛嚢炎が起こりやすいのはなぜ?
毛嚢炎が発生しやすい条件と繰り返してしまう方の特徴をご紹介します。
脱毛後に毛嚢炎が起こりやすい理由とは
脱毛の施術では、レーザーや光の熱で毛穴にダメージを与えます。この過程で毛穴周辺の皮膚も軽微なダメージを受け、一時的に肌のバリア機能が低下してしまいます。さらに施術前の自己処理でできた小さな傷や汗や摩擦などの外的要因が重なることで、毛穴に雑菌が入り込みやすい環境が生まれてしまいます。
脱毛で毛嚢炎が発生しやすい部位
特にヒゲ・VIO・背中・胸などの部位で毛嚢炎が起こりやすい傾向があります。これらの部位は毛質が太くて硬く、脱毛時の熱ダメージも大きくなりがちです。また、汗をかきやすい部位でもあるため、雑菌が繁殖しやすい環境にあります。
脱毛で毛嚢炎を繰り返しやすい人の特徴
太くて硬い毛質の方は、より強いエネルギーが必要となります。それに伴って炎症リスクも高くなります。また、普段の保湿ケアが不足していたり、汗をかいて皮膚が湿った状態が続くと、細菌が繁殖しやすくなりますので清潔にするよう心がけましょう。
衣類による摩擦や不適切な自己処理方法も毛嚢炎を引き起こす要因になります。ただし、脱毛回数を重ねて毛質が細くなってくると、自然と症状が落ち着くことが多いので過度に心配する必要はありません。
毛嚢炎がある場合は脱毛施術はできる?

毛嚢炎がある状態での脱毛について、事前に知っておくべきポイントをお伝えします。
炎症が起きている部位には基本的に照射できません。赤みや腫れがある箇所は避けて施術を行うか、症状の程度によっては施術自体を延期することもあります。これは症状を悪化させないための大切な措置です。
医療脱毛クリニックでは、施術前に必ず医師や看護師による肌状態のチェックが行われます。毛嚢炎の有無だけでなく、その程度や範囲を専門的な視点で判断し、安全に施術を受けられるかを決定します。
もし毛嚢炎があることを隠して施術を受けようとすると、症状が悪化したり、他の部位に感染が広がったりするリスクがあります。必ず正直に申告し、クリニックの判断を仰ぐようにしましょう。
脱毛後に毛嚢炎になったらどうする?すぐに医療機関を受診すべき症状
脱毛後に毛嚢炎が発症した場合、その症状によっては自己判断での対処は避け、速やかに医療機関を受診することが重要です。特に以下の症状が見られる場合は、専門医の診察を受けることを強く推奨します。
広範囲にわたる毛嚢炎
炎症が広範囲に及んでいる場合、感染が進行している可能性があり、適切な治療が必要です。
痛みが強く日常生活に支障がある場合
痛みが我慢できないほどであったり、日常生活に支障をきたすレベルである場合は、市販薬での対処では不十分な可能性が高いです。
発熱を伴う場合
発熱は体が細菌感染と戦っているサインであり、毛嚢炎が全身に影響を及ぼしている可能性を示唆します。この場合は、自己判断せずにすぐに医療機関を受診してください。
1週間以上改善しない場合
軽度な毛嚢炎であれば数日で自然に治癒することもありますが、1週間以上症状が改善しない場合は、他の皮膚疾患の可能性や、より適切な治療が必要である可能性が考えられます。
毛嚢炎の治癒期間の目安
軽度の毛嚢炎であれば、適切なケアを行うことで数日〜1週間程度で自然に治癒することが多いです。一方、広範囲に及ぶ場合や症状が重い場合は、医療機関での治療を受けても1〜2週間程度かかることがあります。
市販薬の安易な使用や、毛嚢炎を潰すといった行為は、症状を悪化させたり、新たな感染を引き起こしたりするリスクがあるため、お勧めできません。特に潰してしまうと細菌がさらに広がり、痕が残る可能性もあります。
治癒期間には個人差があるため、不安な場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。
毛嚢炎を予防するための脱毛ケア

毛嚢炎を予防するために、日常的に心がけるべきケア方法をご紹介します。
施術後のケアが最重要
脱毛後の肌は特にデリケートな状態にあります。保湿ケアを徹底し、肌のバリア機能をサポートすることが大切です。また、施術部位を清潔に保つことも重要なポイントです。
汗対策
汗は雑菌繁殖の温床になります。運動後や暑い日はできるだけ早くシャワーで汗を洗い流すよう心がけましょう。特に夏場や運動習慣がある方は、こまめな清拭も効果的です。
正しい自己処理方法
施術前の自己処理では、カミソリよりも電気シェーバーの使用をおすすめします。カミソリ負けしやすい方は特に注意が必要です。処理後は必ず保湿ケアを行い、肌への負担を最小限に抑えましょう。
適切なスキンケア用品の選択
肌に合ったローションや軟膏を活用することも大切です。敏感肌用の製品や抗菌作用のある成分が配合されたアイテムを選ぶと良いでしょう。
毛嚢炎がある人の脱毛プラン|医療脱毛で安心できる理由
毛嚢炎ができやすい方にこそ、医療脱毛をおすすめする理由があります。
毛嚢炎があると脱毛をためらう方もいるかもしれませんが、「毛嚢炎があるから脱毛はできない」というわけではありません。専門家と相談しながら、肌の状態に合わせた施術計画を立てることで、安全に脱毛を続けられる可能性があります。出力の調整や施術間隔の調整など、個々の状況に応じた柔軟な対応が可能です。
また、施術後の肌の状態に合わせて事前に軟膏などを処方してもらえることも医療脱毛の大きな利点の1つと言えるでしょう。
まとめ|毛嚢炎は正しくケアすれば脱毛を続けられることもある

毛嚢炎は脱毛後に一定の割合で発生します。そのため多くの方が経験する可能性のあるリスクの一つですが、正しい知識と対処法があれば適切に管理できます。程度次第では適切な治療と予防により、脱毛を継続することも可能です。
大切なのは、症状が現れた時に慌てずに適切な治療を受けることと、日頃の予防ケアを心がけることです。また、自己判断で対処しようとせず、不安な時は必ずクリニックなどの専門家に相談することで、安全に脱毛を継続することができます。
毛嚢炎ができてしまったからといって脱毛を諦める必要はありません。適切な治療と予防策により、理想の肌を目指すことは十分可能です。ただし、症状によっては色素沈着などが残る可能性もあります。
※免責事項:「本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療に代わるものではありません」
現在の肌状態や毛嚢炎の有無について不安がある方は、まず医療脱毛クリニックの無料カウンセリングを受けることをおすすめします。毛嚢炎の予防法や万が一発生した場合の対処法についても、具体的なアドバイスを受けることができます。
まずは気軽に相談してみてください。あなたの肌に合った安全で効果的な脱毛がきっと見つかるはずです。